【腸内細菌】日本人の海苔消化

海苔を消化できるのは
日本人だけである
◯(答)
43%

「海洋細菌の中で、藻細胞壁の分解を行なう酵素を特定した」とフランスのStation Biologique de Roscoff(ロスコフ海洋生物研究所)の生物学者、Mirjam Czjzek氏は述べている。「この酵素が見つかる他の場所は1つしかない。それは日本人の腸に見られる細菌の中だ」

科学雑誌『Nature』の4月7日号に掲載されたこの発見は、Roscoff研究所の生物学者Jan-Hendrik Hehemann氏によるZobellia galactanivorans(ゾベリア・ガラクタニボランス:一般的な海洋細菌)の分析から始まったものだ。この研究の中でHehemann氏は、ポルフィランを分解する酵素を見つけた。ポルフィランとは、紅藻類の細胞壁で見つかった炭水化物だ。

この酵素をコード化する遺伝子は、他の場所で発見されていた――人間の腸で見つかった微生物、Bacteroides plebeius(バクテロイデス・プレビウス)のゲノムだ。だが、すべてのB. plebeius菌株が、藻を分解する酵素を生成するわけではない。そういった菌株は、日本人にしか見つかっていないのだ。

研究者たちによると、この酵素はZ. galactanivoransが紅藻類を食べるのを助けるという。紅藻類の中で西洋人にとって最もなじみが深いのは、巻き寿司の周りに巻かれている海苔だろう。[紅藻類は、セルロースと厚いゲル状多糖からなる細胞壁を持っており、これが海苔や寒天など、紅藻から作られる製品の原料となっている]

ただし、この研究は18人の北米人しか対象にしていない[日本人では13人のうち5人がこうした腸内細菌を持っていたが、18人の北米人は持っていなかったという]。この腸内細菌が人の海藻の消化にどれほどの影響を与えているかについては測定されていない。また、海藻を食べない人の中でこの細菌がどうなるかについてもわかっていない。
引用元:日本人の腸だけに存在?:海藻を消化する細菌|WIRED.jp https://wired.jp/2010/04/09/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e4%ba%ba%e3%81%ae%e8%85%b8%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%ab%e5%ad%98%e5%9c%a8%ef%bc%9f%ef%bc%9a%e6%b5%b7%e8%97%bb%e3%82%92%e6%b6%88%e5%8c%96%e3%81%99%e3%82%8b%e7%b4%b0%e8%8f%8c/

最新の研究によると、はるか昔から海藻を食べる習慣を持つ日本人の腸内細菌から、ある海洋微生物の遺伝子が発見された。この遺伝子の性質を考えると、日本人の腸がノリ(海苔)の消化に適していることになるという。 ゾベリア・ガラクタニボランス(Zobellia galactanivorans)という海洋微生物は通常、アマノリ属の海藻を栄養源としている。寿司を始め日本料理で広く使われるノリもアマノリ属の一種である。

 研究チームは、この微生物がアマノリ属の海藻に豊富に含まれる炭水化物を分解する際に使う酵素を究明するために調査を進めていた。グリコシドヒドロラーゼと呼ばれるこの酵素の遺伝子の配列を突き止めたとき、思いがけない事実が浮かび上がった。この海洋微生物の遺伝子が日本人の腸に共生する細菌のものと一致したのだ。日本人の被験者13人と北米に住む被験者18人の腸内細菌の遺伝子を比較したところ、海洋微生物に由来する遺伝子は日本人の腸内からしか発見されなかった。

 海藻は、長い間日本人の食文化に欠かせないものとされてきた。8世紀の文献には、海藻を税として納めることが認められていたという記録も残っている。現在でも日本人は1人あたり毎日14.2グラムの海藻を食べているという。

 寿司のように海藻を使った料理を食べることを通して、長期間かつ習慣的に海洋微生物を摂取することで、腸内に数兆個が住むとされる細菌の一種が海藻を消化する遺伝子を取り入れることができたと研究チームは考えている。

 日本人の腸内細菌は海洋由来の酵素に恵まれたために、例えばアメリカ人の腸内細菌には抽出できない微量のエネルギーを海藻から抽出することができる可能性もある。しかし研究チームによれば、そのエネルギーは宿主である人間のためというよりは、細菌自身の栄養となっている可能性が高いようだ。
引用元:日本人の腸はノリの消化に最適 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2549/