不動態、イオン化傾向


次のうち
濃硝酸に溶けない金属を
全て選びなさい
アルミニウム(答)
金(答)
白金(答)
ニッケル(答)
鉄(答)
亜鉛


リチウム
23%

酸と金属の反応について、もう少し突っ込んでおきましょう。

まず、金属が希酸に解けるのは、H+ と金属の酸化還元反応が起こるためです。例えば、HCl と Zn の反応では、以下のような半反応式で表される反応が起こります。

この2つをあわせると、亜鉛が希酸に溶ける反応式 Zn + 2H+ → Zn2+ + H2↑となります

これは、還元剤としての Zn の力(電子を押し付ける力)が、還元剤としての H2の力より強いために起こる反応です。ですから、H2よりイオン化傾向の小さな Cu~Au は希酸には溶けません。

Cu~Au はH+よりもっと酸化力のある酸に溶けます。酸化力のある酸というのは、熱濃硫酸・濃硝酸・希硝酸・王水の4つです。これらは強い酸化剤として働きますから、H2 よりイオン化傾向の小さな金属も酸化して陽イオンにしてしまいます。
ただし、イオン化傾向がものすごく小さな Pt と Au はこの中でも最も酸化力の強い王水にしか溶けません。王水は濃硝酸と濃塩酸を 1:3 の割合で混合したものです。(一生三円と覚えます。)

さて、希酸に溶けない金属すら溶かしてしまう酸化力のある酸は、どんな金属でも溶かしてしまうような気がしますが、実は、希酸に溶けるのに酸化力のある酸には溶けない金属も存在します。

それは、Al、Fe、Ni の3 種類の金属です。これらの金属は酸化力のある酸(濃硫酸・濃硝酸)を加えると、表面にち密な酸化被膜が生じてしまい、それ以上反応しなくなってしまいます。

このように、表面の酸化被膜によって薬品に侵されにくくなった状態を不動態と言います。ただし、これらの金属も希硝酸や王水には溶けます。この3 つは良く出てくるので覚えましょう。

あ(Al)て(Fe)に(Ni)ならない不動態というゴロは聞いたことがありますよね。

また、Pb は硫酸と塩酸に溶けません。Pb は硫酸イオンと水に不溶の PbSO4 を、塩化物イオンとは同じく水に不溶の PbCl2を生じます。これらが Pb の表面を覆ってしまうと、内部が保護されてしまい、それ以上酸に溶けなくなってしまうのですね。考え方は不動態と同じです。
引用元:化学講座 第24回:イオン化傾向とイオン化列 | 私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム http://www.sidaiigakubu.com/examination-measure/chemistry/24/index_2.php

不動態
ふどうたい
passive state

不働態とも書く。通常の金属が、当然示すはずである活性を失って、一見、貴金属(容易に化学的変化を受けない金属をいう。金、銀はその代表的なものである)であるかのように挙動する状態をいう。たとえば、濃硝酸に鉄片を入れると、まったく不活性となり酸と反応しなくなってしまう。また、この鉄片を取り出して硫酸銅溶液に入れても銅を析出することはない。このような現象は鉄のほかにも、ニッケル、クロム、コバルト、アルミニウムなどにおいて認められている。
 原因としては、表面にきわめて薄いがじょうぶな酸化物の被膜が生じるためと考えられている。銅はフッ化水素やフッ素に侵されるが、表面がフッ化銅で被覆されてしまうともはや侵食は止まり、やはり一種の不動態を示す。フランスのモアッサンが単体フッ素のいろいろな実験を銅の容器で行ったというのも、この不動態の利用にほかならない。[山崎 昶]
引用元:不動態(フドウタイ)とは – コトバンク https://kotobank.jp/word/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E6%85%8B-619744