宇宙は「加速」膨張 2011ノーベル物理学賞


2011年のノーベル物理学賞は
「宇宙が一定速度で膨張
している」ことを発見した
3氏に与えられた
×(答)
◯「加速膨張」
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2011年のノーベル物理学賞は宇宙の加速膨張を発見した観測研究に贈られることになりました!

受賞者は米国立ローレンス・バークレー研究所のS. パールムター(Saul Perlmutter, 52),オーストラリア国立大学のシュミット(Brian P. Schmidt, 44),ジョンズ・ホプキンズ大学のリース(Adam G. Riess, 42)の3人で,パールムターが賞の半分を,残りの半分をシュミットとリースが分け合います。

3人は宇宙の加速膨張を発見した2つの研究チームで中心的な役割を果たしました。パールムターは「超新星宇宙論プロジェクト」,シュミットは「ハイゼット(High-z)超新星探索チーム」のリーダーで,リースもハイゼットチームの1人です。

宇宙は約140億年前,ビッグバンで誕生して以来,膨張を続けているが,物質の重力で膨張にブレーキがかかっていると半世紀以上考えられていました。ところが両チームは遠方の超新星の観測から,減速していると思われた宇宙膨張が加速していることを明らかにしました。宇宙全体では重力による引力を上回る斥力が働いていることになります。巨大な斥力を生み出す未知の存在は暗黒エネルギーと名付けられ,その解明は天文学と宇宙論,素粒子論にまたがる21世紀の基礎物理学における最重要課題となっています。
引用元:ノーベル物理学賞は宇宙の加速膨張の発見に | 日経サイエンス http://www.nikkei-science.com/?p=9698

二〇一一年のノーベル物理学賞は「宇宙の加速膨張の発見」により、ソウル・パールムッターとブライアン・シュミット、アダム・リースの三名がもらった。こ の物理学上の大発見の基礎になったのがIa型超新星の観測である。私は、Ia型超新星の起源(どのようにしてIa型超新星が生まれるのかを星の進化論の立 場から調べる)を研究対象としている。研究分野が近く、受賞者たちとも話をしたことがあるので、彼らの受賞背景などをふくめて、その物理学的・天文学的意 味を解説したい(教養学部報第四四五、四四六号の「新星から超新星へ――宇宙膨張は加速している?――」も参照)。

>このようにして測定された宇宙膨張の様子は、実は私たちの住む銀河系から比較的近い領域についていえることなので、現在の宇宙の膨張の様子をあらわして いるだけである。もしかしたら、過去の宇宙の膨張の仕方は現在とは異なっていたかもしれない。宇宙の中には銀河や星・ガスなどの物質がつまっている。その 重力のため、宇宙膨張が引き戻される。これを、「宇宙膨張が減速する」と表現する。例えば、地球上でボールを上に向かって放り投げると地球の重力のため、 ボールが地上に戻ってくるようなものである。逆にいうと、過去の宇宙膨張の様子をさぐると、宇宙の中につまっている物質などの重力源の量がわかる。光の速 度は有限なので、例えば十億光年先の銀河を観測すれば、十億年昔の宇宙膨張の様子がわかる。もっと過去を調べるには、どんどん遠方の銀河にさかのぼってい けばよい。

しかし、セファイドはあまりに遠方だと暗くなりすぎて観測できない。星の中で一番明るいのは、星全体が爆発する現象である超新星である。この超新星の中 でも、Ia型とよばれるものはもっとも明るく、銀河本体と同じくらいになる。つまり、銀河が見えるぎりぎりの遠方まで観測できる。かつ、その明るさの変化 が皆よく似ている。このIa型超新星までの距離を精度良く測定できれば、過去の膨張則を決定できる。問題は、十分遠方の銀河にIa型超新星を発見すること と、その超新星までの距離を十分な精度で決定できるかということである。この二つを同時に解決し、数十億年過去までの宇宙膨張の様子を決定したのが、パー ルムッターが率いるチームと、シュミットが率いるチームであった。

その結果が、一九九八年および一九九九年に発表された。内容は、それまでの常識を打ち破る「宇宙膨張の加速」であった(図1参照)。

 地上から放り上げたボールが、地上に落ちて来ず、するすると上空に登っていってしまうという、何とも不思議な結果である。しかし、二つの独立なチームが 同じ結果を出したこと、および宇宙年齢の問題やその他の矛盾を解決するものだったため、この結果はわりとすんなりと天文学分野の人々に受け入れられていっ たように思われる。その後の、WMAP衛星による三K宇宙背景放射のゆらぎの観測結果と合わせて、宇宙膨張の加速は今や天文学的事実として受け入れられて いる。このことが、発見からほぼ十年というわりと早い時期のノーベル物理学賞受賞に結びついた。
引用元:2011年のノーベル物理学賞――宇宙膨張は加速している – 教養学部報 – 教養学部報 http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/544/open/B-1-2.html