鉄を溶解「希硫酸」「希塩酸」不動態を形成「濃硫酸」「濃硝酸」

071racTELs
次のうち、鉄を溶かすものを
全て選びなさい
濃硝酸
希塩酸(答)
希硫酸(答)
濃硫酸
45%

◆酸化力のある酸との反応

 酸化力のある酸とは、希硝酸、濃硝酸、そして熱濃硫酸を指します。硝酸や硫酸は、薄いか濃いかでかなり性質が変わってくるので区別します。熱濃硫酸とは加熱した濃硫酸のことで、これは濃硫酸はそのままでは酸化力をもたず、加熱することではじめて酸化力を発揮するので、必ず加熱することになり、そのためこのように呼びます。

 やはり酸化力がプラスされただけあって、反応領域が広がり、白金と金以外はすべて反応します。ここで大事なのは、発生する気体です。酸化力のない酸ではいつも水素でしたが、今度は水素でなく、しかも使用した酸によって発生する気体が異なるんです。希硝酸ではNOが、濃硝酸ではNO2が、そして熱濃硫酸ではSO2が発生します。
 無機化学の【気体の製法と性質】のところで、これらの金属の製法ですべて銅との反応であることを確認してください。実はこの話と全く同じなんですね。ですから別に銅以外の金属でもよさそうなものなのですが、製法の時には決まって銅が用いられます。しかもこの反応式は入試でよく書かせることが多いので、丸暗記をオススメします。

   銅+希硝酸: 3Cu+8HNO3→3Cu(NO3)2+4H2O+2NO
   銅+濃硝酸:  Cu+4HNO3→Cu(NO3)2+2H2O+2NO2
 銅+熱濃硫酸: Cu+2H2SO4→CuSO4+2H2O+SO2

◆不動態

 酸化力のある酸の場合にも例外が存在します。通常、反応する範囲に入っているAl、Fe、Niは、濃硝酸と熱濃硫酸に限っては反応しません。これは「不動態」となるからです。「不動態」とは、金属が表面に酸化被膜を形成するために内部が保護される状態のことです。ですらこれらの金属が不動態を形成することを覚えていないといけない。これは非常によく出題されるところです。ぼーっとしてるとこの不動態という例外に気付かず、範囲内だからといって反応すると答えてしまいがちです。
 また、さらにひっかけがあって、「濃硝酸と熱濃硫酸に『限っては』」ということは、希硝酸のときには不動態を形成せずに反応するということです。ちょっと複雑で混乱しそうですが、ここまで知っていればカンペキです。ちなみにこのイオン傾向にはありませんが、クロムCrも不動態を形成する金属であることも余裕があったら知っておいてください。
引用元:イオン化傾向 http://www.geocities.jp/chemacid/chembase/physical/tendency.htm